林業家・中田市郎さんとの出会い 第8話

林業家・中田市郎さんとの出会い

[実例].顔が見える家づくり── “お金では買えない家づくり”に感動 by草島すなお

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林業家・中田市郎さんとの出会い 第8話

建 前

 by 草島すなお

20040827_00.jpg⑥屋根組越しの青空   翌朝の屋根組越しの青空が心に滲みた。

 2004年(平成16年)8月26日、ようやく建前の日がやってきた。スギ、アテ、キリ、サクラといった様々な木の調達、薪ストーブの選定、木材費を含めた施工費の交渉、施工時期など様々な打ち合わせや議論を尽くして迎えたこの日は、既に家づくりの8合目ぐらいまで来たような気分で、ようやく辿り着いたこの一大イベントに感慨もひとしおであった。天気も、これまでの私の苦労(?)を癒し、また、これからの前途を祝福してくれるような、雲ひとつない快晴となった。

 建前の朝は早く、7時30分には作業が開始した。正保工務店の6名の職人と1台のレッカーで段取りよく作業が進行していき、8時前には2本の柱に最初の桁が打ち込まれた。中田一郎さんの山の木の伐採から始まり、その後、様々な職人さん達の手を経て迎えた家づくりの最終章、どんな匠の技も見逃すまいと、この日カメラマンに徹することにした私は意気込んでいた。

 鳶職人の打ち込むかけやの音が小気味よく響き渡る。仕口があっさりはまることはなく、かけやで何度となく打ち込んでようやくはまり込んでいく。これくらいの締まり具合が安心感があっていい。所々にケヤキの込み栓が打ち込まれる。
手際よく構造体が立ち上がっていき、いよいよ本日のクライマックス、この家の象徴となる最も太い梁を差し入れる場面にさしかかった。「通りほぞによるシャチつなぎ」と呼ばれるこの仕口・継手工法は、梁のほぞの長さが30cm以上はあり、この家で最も職人技が強調される部分であろう。
梁の仕口部分にどのような加工が施され、その梁と柱がどのようにして接合されていくのか、一部始終を見逃すことのないよう私は慌ただしくシャッターを切った。

 1階部分が立ち上がり、2階部分へと順調に作業が進んでいき、いよいよ2階の屋根部分に取りかかる。太い太鼓材の梁が何本も架けられると、それらの中心部を約10mの丸太が乗っかるように据えられる。丸太の上には小屋束が立てられ、そこに棟木が上げられた(上棟完了)。最後に柱ほどの太さのある屋根垂木が架けられ、本日の作業は無事完了した。
 翌朝、いつになく早く目が覚めると、家の周囲に設置された足場に上り、様々な角度から写真を撮りまくった。小屋組越しに広がる青空が達成感で洗われた心に染み入ってきた。

20040826_00.jpg① 最初の通し柱   管柱を立ち上げ、その上に桁を打ち込んだ後、角に最初の通柱が立ち上がった。
20040826_01.jpg② 1階部分完成   お昼前に1階部分がほぼ完成した。
20040826_02.jpg③丸太桁設置   一般の住宅ではあまり見られないが、小屋束を受ける丸太の桁が据え付けられた。
20040826_03.jpg④棟木設置完了   いよいよ棟木が上げられ、上棟が完成した。1番大きなスギの木の根本部分を板に挽いた。(これが家の様々なところに活かされていく。)
20040826_04.jpg⑤太いタルキ   間伐材を活用した約10cm角の太いタルキが建物に重量感を与える。
20040826_05.jpg⑦込み栓   栗やケヤキの込み栓が使われた。

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20091215_01.jpg⑧通りほぞのシャチつなぎ   寝かせた状態で柱と大きな桁を固定した後(①~③)、柱を立ち上げる(④)。   大きな桁の反対側から別の桁が柱越しに継がれる(⑤~⑦)。最後にシャチ栓が打ち  込まれる(⑧)つなぎ2

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